宗吾殿は江戸時代の義民で知られる下総国(千葉県)佐倉公津村の名主、惣五郎(宗吾)を供養する堂である。惣五郎は江戸初期承応年間(1652~1654)佐倉藩の重い租税に苦しむ農民のため、藩主堀田正信のとき、直訴を図った罪により処刑された。 後年佐倉藩の藩主は惣五郎の霊を絶えず弔い、百回忌などの法要を営んでいる。その後堀田正信の子、正休の家系である近江国宮川藩堀田家の屋敷地となり同屋敷内に建立したものである。享和5年(1803)に惣五郎百五十回忌法要を営んでおり、堂もこのころの建立したものと考えられる。江戸時代末期以降、惣五郎は芝居や講談の題材となり世に広く知られた。