開催予定
日程:5月最終土日、6月最終土日
浅間神社の例祭日は富士山山開きの7月1日であり、その縁日とされる植木市は5月と6月の最終土日に開催され、5月と6月それぞれ2日間の合計4日間です。 植木市では350件以上の植木の露店が道に並び、初夏の風物詩として賑わいを出しています。 昔から富士山に対する信仰は盛んで、全国各地で浅間神社の勧請や富士講の組織作りが行われており、富士山の山開きの旧暦6月1日には、富士詣りに行けない人々が、各地元の浅間神社に参詣したと云われています。
お富士様の植木市について
植木市とは台東区浅草5-3-3(浅草警察署斜め前)にある浅間神社(俗にお富士様)の祭日の別称で植木市が開かれる処から呼ばれるようになりました。浅間神社はその昔浅草寺の支院の修善院(今の富士小学校の処)が別当で管理しておりましたが、明治の中頃廃絶し、現在では浅草神社の宮司が管理しております。祭神は木花咲耶姫(このはなさくやひめ)で、元禄のころ駿河国富士郡浅間神社から勧請したものと云われますが、つまびらかではありません。
この社の位置は富士山から裏鬼門にあたり、この小高い丘の上にあるので、富士山がよく見えたと云われております。昔から富士山に対する信仰は盛んで、全国各地に浅間神社の勧請や富士講の組織作りが行われ、富士山の山開き6月1日には、富士詣りが出来ない人々が各地の浅間神社に参詣したと云われます。従って当初は垢離(こり=神仏に祈願するとき心身を清めるために水を浴びる)をとって身を浄め、白衣のかたびらを着て、夜明けからお詣りしたようで、元禄以後は特に子供の参拝が多くなり、垢離をとった形式にかたどり、散らし髪で参拝したと云われております。
昔の祭日は5月晦日と6月朔日(ついたち)で明治以降は富士山の山開きが7月1日になったので、6月晦日と7月朔日にも行われるようになりました。合計4日間の珍しい祭日となっております。表参道の富士通りには色々と物売りが出、明治以降は六郷家の下屋敷跡を中心に植木市が立つようになり、丁度入梅時で植木を移植するのに最好期にあたり、お富士様で買った木はよくつくと言い伝えられて、次第に盛んとなり、現在では5月・6月の最後の土日に柳通りを中心に約350店の植木屋で時ならぬジャングルを現出します。因みに平成7年の浅草警察署の調査では4日間の人出延べ33万人余と云われております。
戦災後見なくなった麦藁細工の蛇は、宝永年(約250年前)駒込の百姓喜八と云う人が夢告により、疫病よけ、水あたりよけの免符として広めてから、霊験あらたかと評判になり浅草でも売り出されるようになりました。古川柳「富士土産舌があったりなかったり」雑踏で麦細工の蛇についている赤塗りの附木で出来た舌を何処かへ落としてしまったと云う意味の句で参詣者の賑わいが分かります。又、社務所で治療しているお灸は、お富士様のお灸として有名であります。