毎年7月1日の富士山開きで有名な浅間神社は、地元人からは通称「お富士さん」で通っており、江戸時代に富士山信仰が盛んになったことから付けられている。富士山に来られない人にも富士参りをさせようということから、各地に富士浅間神社が広がり、浅草富士浅間神社も静岡県富士市から元禄年間に分社したものだ。創建年代は不明だが、江戸時代初期の寛文11年までには祭られていたらしいといわれている。本殿は、平成9年~10年の改修工事により外観だけ新たに漆喰塗りがほどこされたが、内部には明治11年に建築された土蔵造りの本殿が遺されている。現在の鎮座地は約2mほどの高みを成し、神体として木造木花咲耶姫命坐像が安置されている。富士山への信仰に基き勧請されたこの神社は、一派による祭りが行われ、江戸を代表する富士信仰の聖地として各所の富士へ参る団体達の尊宗を集めた。富士山の山開きにちなんだ祭日は、毎年5月31日、6月1・30日、7月1日の年4回ですが現在は6月最終土日と7月最終土日に植木市が出て、浅草年中行事のひとつとなっている。植木市ができたのは、明治の中頃からだといわれているがはっきりとはしていない。