季刊誌

日本の扉 浅草 Vol.31

槐の会季刊誌31号

掲載内容

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浅草歳時
コラム他

コラム:浅草のことならオレに聞け

大正モダンと古き良き昭和が薫る酒「神谷バーの電気ブラン」

浅草1丁目1番地1号にあるクラシック な建物「神谷バー」は、この街の顔といっ ても週言ではありません。アルコール大 好きな我らがこ隠居も、すっかりお世話 になっているようで…。

ビールと交互に飲むのが神谷バースタイル

そりゃアンタ、浅草の酒といったら神谷バーの「デンキブラン」だね。元は初代の神谷偉兵衛さんが明治13年に始めた醸造所兼銘酒店だったが、やがて西洋風に改装してバーを開業。今の建物は大正10 年落成で、平成23年にはついに国の登録有形文化財になっちまった。
俺が子どもの頃は、いつかあの店に入ってみたいって憧れてたもんさ。願いが叶ったのは終戦後の大人になってから。基本が相席で、オドオド入っていった若造に馴染み客がいろいろ教えてくれるんだ。デンキブランはアルコール度数30度ないし40度の強い酒だから必す水と一 緒に出てくるけど、ビールも頼んで交互に飲むのが「神谷バースタイル」。デンキブランは甘口だから、ビールで口をさつばりさせて、またデンキブラン。結局みんな、酒が好きなだけなんだけどね。
ビールっていやあ、当時は吾妻橋向こうのアサヒビールと神谷バーが隅田川の下でパイプでつながってて、だから神谷バーのビールはうまいんだなんて話を信じてる輩もいた。今でいう都市伝説っていうの?

親から子へ、子から孫へ世代を結ぶ電気ブラン

あの頃は六区の興行街も一番活気があって、映画や芝居を見て、帰りにデンキブラン飲むのが大人の男の愉しみだった。そうそう神谷バーの1階には昭和45年まで女子便所がなかったんだぜ。夫が飲む間、妻は店の外で待ってる••なんて奥ゆかしい時代だったんだねえ。
そんな神谷バーも最近は子供用の椅子が用意さな家族全員で楽しめる店になった。女の子の方が酒が強くなって、デンキブランを興昧津々で注文するっていうから時代は変わったんだね。それはそれでいいことだけど、今も一人で入ってきて、デンキブランとビールをきれいに飲んでいる御仁を見ると、つい声をかけて昔語りをしたくなるね。
これは今の社長から聞いた話だけど、カニクリームコロッケを頼んで、デンキブランをちょっとずつ飲んでる中年客がいたんだって。話を聞くと、お父上がデンキブランが大好きでよく店に来ていたけど、半月前に亡くなったとか。本人は飲めないのに遺影を持っての弔い酒だったんだね。ひょっとしたら俺も、会話したことがあるお客さんだったかもしれねえな。そう考えるとしんみりしてくるね。まうちのせがれは、こんな粋なことしてくれそうにはねえけどな。

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