掲載内容
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この浅草(このまち)のことならオレに聞け!第3回「秋の楽しみ」
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コラム:この浅草(このまち)のことならオレに聞け!「秋の楽しみ」
お月見
秋といえば「中秋の名月」を愛でるってのは書かせない。なぜ「中秋」なのかというと、旧暦では1~3月を春、4~6月を夏、7~9月を秋、10月~12月を冬と数えたんだが、8月は秋の真ん中で中秋、そのまた真ん中である15日頃が空気が澄んで月が綺麗に見えたってわけだ。浅草では、待乳山(まつちやま)の聖天さんの高台に集まって酒や会話に興じながら夜半の月が昇るのを待ったようだ。御供物は今と同じ、ススキと月見団子。秋の収穫を感謝する意味合いもあるのでイモをそえたりもするね。
今はやらないが、昔は7月の26日の晩に「二十六夜待」というお月見が盛んだった。月が昇ってくるその光の中に、阿弥陀如来、観観音菩薩、勢至(せいし)菩薩の三尊が姿を現すってことで、なんともありがたい光景じゃないか。昔の人にとっちゃ、信仰と遊びは常につながっていたんだよ。庶民は高台から月を待ったが、お大尽は船で月見の宴。わざわざを見上げることなく隅田川の水面に映る月にふと目をやるわけさ。風流だねぇ。
秋の味
お次は「食欲の秋」について話そう。秋の味といえば、秋刀魚。安くて美味しくて栄養満点とあっちゃ、庶民に強い見方だ。秋の戻り鰹も脂がのって美味しいんだが、江戸っ子は「女房を質に入れても食べる」なんてって、意地と誇りをかけて初夏の初鰹を競って食べた。小肌の寿司も忘れちゃいけねぇ。とくに二枚づけ・三昧づけで喰う新子は季節もので美味しいね。秋の果物、梨も人気の味。子供の健康を祈る「泣き相撲」は昔は秋に行われていて、景品には梨が出されていた。梨はちょっと酸っぱいところから「なかす」といったんで、「泣かす」をひっかけての言葉遊びがその理由だ。「食」からは離れるが、最後に江戸っ子ならではの秋の粋な言葉を一つ紹介しよう。「扇」というと夏の季語だが、「秋扇」となると俄然色っぽくなる。夏の間は大切にされたのに今では脇に置き忘れられ手にとってもらえない「秋扇」、男女の仲ってのは、、、。扇子の置き忘れにはご用心!!
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