季刊誌

日本の扉 浅草 Vol.26

槐の会季刊誌26号

掲載内容

代表的催事(3月~8月)
浅草周辺マップ
浅草エリアマップ(東西南北および中央部の5エリア)
浅草昔語(浅草近郊桜の名所)
浅草発・下町の歩き方(お花見マル秘スポット)
あの店この顔
この浅草(このまち)のことならオレに聞け!
職人たちが工夫をこらした「江戸玩具」の粋
浅草槐の会・マップリスト(会員店詳細)
浅草年間歳時

コラム:この浅草(このまち)のことならオレに聞け!

江戸玩具が小さいワケは?

お前さん達は子供の頃にどんな遊びをしたかい?けん玉、ヨーヨー、メンコにベーゴマ。女の子ならお手玉、あやとり、おはじき…。ちょいと路地を見りゃ、かくれんぼや鬼ごっこ、石蹴り、ゴム跳び、凧揚げをして駆け回る姿をおがめたもんだ。
そんなもの今どき流行ンないよ、なんてことは言いっこなしだ。昔ながらの遊びには、良さがたっぷりあるんだから。
ざっと時代を遡り、徳川吉宗の頃。士農工商の世のはずが、武士と承認の生活の豊かさが逆転し、武士の威厳を保つための贅沢禁止令が出された。庶民は派手なものや大きなものを慎む羽目になり、玩具も小さくて質素なものが作られるように。そこで江戸の職人たちは競うように小さな玩具を作ったが、小さくとも手を抜かず実用的、かつ「意味」があったってところに彼らの意気を感じるねェ。
直接言ったり他人様に迷惑かけるのは野暮だが、一呼吸おくとお洒落。金も迷惑もかけずに言葉で遊ぶのが粋ってもんだ。

自分で作って自分で直せる

1円玉にも満たない大きさの枡。その中に爪の先ほどの独楽2つ。「ますます小マメに健康に!福は内!!」てなワケ。この枡は小さくても省略せずに組んであるし、独楽も長く回るからたいしたものさ。意外な所から意外な物が出るたとえで「瓢箪から駒」というが、玩具職人の手にかかると駒ではなく独楽が飛び出し「瓢箪から独楽」となるから面白い。こちらの独楽は福の内より更に小さくて驚くぜ。歌舞伎「法界坊」で「しめたぞ、しめた。しめこのうーさうさ!」と言って有頂天になる場面があるが、この言葉遊びを題材にしたのが「とんだりはねたり」だ。
ゴムなど無い時代、竹と紐だけを使い、紐をよじった反発力で人形が跳ね上がる。という仕掛け。ちなみに「しめこの兎」は物事が思い通りに運んだ時に言う洒落さ。
「笑う門には福来る」という言葉にちなんだ玩具といえば「笊かぶり犬」。竹冠に犬、つまり「笑い」。傘を重ねて「かさねがさねニコニコ健康に」ってなワケで、子供の誕生祝いに贈られることも多いね。
隅田川でシジミが捕れた江戸の昔から親しまれているのが「ずぼんぼ」。体は紙、足はシジミ貝。放り投げてもフワフワと宙を舞いつつ、ちゃんと着地する。
これらの玩具はみな身近な材料を使い自分で作れて自分で直せる。これも江戸玩具のすぐれた点の一つだ。欲しくなれば新しいものを買い、壊れたら捨てるのが当たり前な昨今、自分で作る楽しみを味わってはいかがかな。

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  4. 刃物 かね惣
  5. 和洋食 にぃど・だもぉれ
  6. あげまんじゅう 浅草九重
  7. うなぎ 川松 うなぎ 川松
  8. 天ぷら料理 雷門三定

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  2. 節分会
  3. 七福神
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